タトゥーやイレズミに批判的な目を向けるばかりでは、訪日外国人に対応できません。
1960年代以降のヤクザ映画の影響で「イレズミ=ヤクザ」というイメージが染み付いてしまったが、かつては女性の結婚の印だったり、火消しや飛脚たちの身体装飾だった時代もあった Photo:PIXTA

2018年8月、タレント・りゅうちぇるがタトゥーを公表したことが物議を醸した。「子どもができたら彫ることを決めていた」と、タトゥーは決意の証しだと説明したりゅうちぇるだが、ファンからはネガティブな声が多く集まった。日本では否定的な意見が多いタトゥーだが、その背景には、映画などのエンターテインメントが少なからず影響しているという。文化人類学者の山本芳美さんに話を聞いた。(清談社 ジョージ山田)

日本ではイレズミに否定的だが
海外の若者にタトゥーは大流行中

 関東弁護士連合会が、2014年にとった国内アンケートによると「イレズミをしている人をどう思うか?」の問いに「どちらかといえば許せない」「絶対許せない」と回答した人は、合わせて52.3%にのぼった。また、「イレズミやタトゥーと聞いて何を連想するか?」の問いには47.5%の人が「犯罪」と答えている。

 日本では過半数の人々がイレズミに対して否定的な見解を持っているのだ。

 その一方、海外ではタトゥーが大流行している。米世論調査会社ハリスインタラクティブの2015年調査によれば、2008年に14%、14年は22%だったタトゥー人口は、15年に29%と急増。また、仏世論研究所が2010年におこなった調査では、フランス人の約10人に1人、18歳から24歳に限れば、およそ4人に1人がタトゥーを入れているという。

 海外では、著名人にもタトゥー愛好者が多い。デビッド・ベッカムは2013年の時点で32個のタトゥーが確認されており、ジョニー・デップやアンジェリーナ・ジョリー、最近ではスウェーデンのサッカー選手イブラヒモビッチの上半身にびっしり彫られた50ものタトゥーなども有名だろう。

 もちろん、大浴場やプールへの入場を禁止する日本のように、タトゥーに対して否定的な見方を持つ国も少なくない。

 中国では公的にタトゥーのテレビ放映を禁止しており、アラブ首長国連邦ではイレズミ保持者は入隊できない。また、タトゥーに寛容なイメージのあるアメリカですら、2014年の意識調査では「タトゥーのある人は反逆的、反抗的な印象を与える」と49%が回答しており、海外でも決してイメージがいいわけではないようだ。