「お母さんは、若い頃働いていましたか? 年金はいくらくらいでしょう?」と尋ねてみると、「ずっと専業主婦で、年金は父親の遺族年金と自分の基礎年金がわずか。同居して、私たち夫婦が生活費をみています」と言う。

 年金収入が少なく(遺族年金は非課税)、生計を一にしているなら、母親の扶養控除を受けることができるのに、夫婦のどちらも控除を受けていない。

「扶養控除を受けられますよ」とアドバイスすると、妻は「収入の高い夫が受けていると思っていた」と言い、夫は「妻の母親だから妻が受けるものと思っていた」と言う。

 お互いに相手が扶養控除を受けているものと思い込んでいたようだ。あぁ、もったいない。75歳のお母さん、たとえば夫の年収600万円なら、所得税と住民税を合わせて約10万円税金が安くなる。

 過去にさかのぼって申告することは可能。税金が戻ってくる還付申告なら5年間さかのぼって申告ができる。住宅ローン控除などで確定申告をした場合は、「更正の請求」という手続きをとれば確定申告のやり直しができることも覚えておこう。

 年収は夫のほうが高かったので、5年分さかのぼって申告したところ、後日、所得税と住民税で50万円ほど還付を受けることができたと大喜びの報告があった。

自分は親を扶養に入れられる?
年金収入の要件をチェック

 前述のケースは、生活費の面倒を見ている「同居の親」だったが、離れて暮らす親でも定期的に仕送りをしていたりすると、控除を受けることができる。

 経済的にサポートしていること以外に、親の収入の条件がある。たとえば65歳以上で年金生活を送っている親なら、年金額がひとり158万円以下の場合、扶養に入れることが可能。

 覚えておきたいのは、「年金収入158万円以下」の意味。扶養に入れることができるのは、「合計所得が38万円以下(=基礎控除以下)」の人である。