ディフェンスメカニズムを知って
女性同士の人間関係を良好にする

 産業カウンセラーとして相談を受けたとき、クライアントが他人や何かのせいにしても、真実を追求したり説教したりはしません。そんなことをしても、相談者が自分の問題に気づくわけではないからです。

 精神医学者のフロイトは、「人は、欲求不満や葛藤による破局を予感すると不安になり、そのような状況を前もって避け、無意識な過程で自己を防衛しようとする反応を表すことがある」といいます。これを「防衛機制(ディフェンスメカニズム)」と呼びます。

 今回の事例は、ディフェンスメカニズムの1つである「投射(投影)」がポイントとなります。投射とは、不安を感じたとき、その不安を減少させるために、不安の原因を自分自身ではなく、外部の人や何かのせいにすることです。

 今回の事例の場合、「投射(投影)」に該当する可能性が考えられます。例えば、「私はBさんが嫌いだ」と思うと自分の良心が痛むため、「Bさんが私を嫌っている」と相手のせいにして責任を転嫁するのです。

 今回、NリーダーはいったんAさんの話を受け止めていますが、Bさんを見習い、「大人になったほうがいい」とアドバイスしました。この対応は間違っていないのですが、Aさんは説教されたと感じてしまいました。では、Nリーダーはどのように答えていけばよかったのでしょうか。会話から学んでいきましょう。

Aさん 「ちょっと問題がありまして…」
Nリーダー 「どんなことですか?」
Aさん 「実は、先輩のBさん(女性・32歳)が私のことを嫌っているようで、コミュニケーションがうまく取れない状況が続いているのです」
Nリーダー 「なぜ、嫌われていると感じているの?」
Aさん 「Bさんはいつもきつい言い方で私と話をしています」