無理して1冊にまとめない
「デジタル・アナログ融合型」スケジュール管理術
ここから先は、私のバレットジャーナルを紹介したい。……と言いながら最初に断っておきたいのだが、私のバレットジャーナルは1冊ではない。アナログツールは複数あるし、デジタルツールも欠かせない。
「バレットジャーナルって、1冊で完結させないといけないのでは?」と疑問に思った方、ご安心を。バレットジャーナルの良さは、目的にあわせて機能や構成を柔軟に変えられることにある。柔軟に変えられる理由についてライダー氏は「バレットジャーナルが『モジュール』(組み立てユニット)で構成されているから」と語っている。
バレットジャーナルが「モジュール」で構成されているとわかれば、その原理を応用して複数のツールを併用してもまったく問題ないだろう。1冊で完結するバレットジャーナルも、「デジタル・アナログ融合型」のシステムも、根本的に実現したいこと(思考を整理し、よりよい人生を送る)は変わらないはずである。
スピーディーな日程調整と
抜け漏れないToDo管理はデジタルに
私の場合、クライアントからの依頼を受けて仕事が決まる場合が大半である。依頼を受けてからできるだけ早いタイミングで日程を調整するために、デバイスを問わず常に最新のスケジュール情報を閲覧・共有できるデジタルツールは必要不可欠だ。
スケジュール管理に欠かせないツールは2つ。予定を管理するGoogleカレンダーと、ToDoを管理するTodoistである。
新しい予定が入ったら、まずGoogleカレンダー上で該当する日時を押さえる。具体的な案件が決まったら、案件進行のために必要なToDoと期日を洗い出し、その内容をTodoistに登録する。いずれもごく基本的な使い方をしていると思う。
自分と向き合い集中するための
フランス製の大人向け自由帳
次からは、デジタルツールで集約した予定とToDoを「書き出して、整理する」プロセスに入る。最初から手帳に転記してもよいのだが、私はその前に、自分が心からやりたいと思うことを一気に書き出すようにしている。
デジタルツールに詰め込んだ予定やToDoの多くは、仕事や人との約束に関わるものだ。この前提を忘れていきなり手帳に転記してしまうと、自分のための時間を確保できず、窮屈でたまらないスケジュールになってしまう。
そうならないためにも、自分が心からやりたいと思うことを書き出す時間とアナログツールが必要だ。この用途で最近好んで使っているアナログツールが、メイド・イン・フランスの「NOTEBOOK A5」(PAPIER TIGRE)である。
半年ごとに新柄が登場する個性的な柄の表紙や、黄色・グレー・白の用紙をまとめた構成など、日本製ノートではあまり見られない洒落た工夫がいくつも施されている1冊だ。
中面ページは基本的にドット方眼罫。わざわざ“基本的に”と解説した理由は、時折「おやっ?」と思うページが紛れているからだ。不意に遊び心を覗かせるNOTEBOOK A5は、大人がワクワクした気持ちで使える自由帳とも言えるだろう。
ちなみに「NOTEBOOK A5」は、「1冊のノートでバレットジャーナルを始めたい」と考える人にもやさしい仕様になっている。全96ページの中面には、バレットジャーナルでいう“住所”にあたるページ番号があらかじめ印刷されている。扉ページをめくると、目次ページが用意されている。バレットジャーナルの主なコンセプト「インデックス」を簡単に始めやすそうだ。