バレットジャーナルに正解はない

「バレットジャーナル」を知ったのとちょうど同じころ、私はある文房具の企画・プロデュースを進めていた。「himekuri」という、少し変わった形の、365日毎日に付せん加工が施されている日めくりカレンダーだ。

手書きが結局、いちばん効果的。真の効率性を生み出す究極のノート術

 製造メーカーのケープランニングにプロトタイプを見せてもらったとき、「毎日付せんになっていること」「毎日違う柄を印刷できること」から「日付シート」のように使えるのではないかと考え、その提案が採用された。

 私自身、日付シートはダウンロードして1枚1枚カットし、さらにのり付けしてノートや手帳に貼るというのが手間で、なかなか活用できずにいた。それが毎日ちゃんとカットされていて更にもとから付せん加工されていたら、だれでも気軽に使えるじゃないか、と思ったのだ。

 その予想は的中した。「himekuri」は発売直後から話題となり、大ヒット商品に。「日本文具大賞」機能部門の優秀賞も受賞した。

「himekuri」ユーザーの多くは、ノートに貼ってその日のタスクや日記を書くという使い方をしていた。もちろん、企画した私もそうだ。SNSに投稿されているような華やかなページをすべて自分でつくるのは難しいが、「himekuri」を貼ればそれだけでもページが華やかに、かわいらしくなるのだ。

「バレットジャーナル」は、なにも美しくなければいけないというわけではない。しかし、多少美しいページでないとモチベーションが上がらないのも事実だ。そこで「himekuri」の出番である。絵心やセンスがなくても、貼るだけでページが一瞬で華やかになるのだ。

 かつての私のように「毎日そんなにきれいに書き込めない」と「バレットジャーナル」を遠ざけていた人にも、楽しく気軽に「バレットジャーナル」をつけるためのツールとして使ってもらえるはずだ。

「バレットジャーナル」はユーザー自身がカスタマイズしていけることも魅力のひとつ。私はマンスリーログやフューチャーログ、コレクションなどにあたる部分は従来のスケジュール帳を活用し、デイリーログの部分のみ「himekuri」を活用して「バレットジャーナル」用のノートに書き出している。

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 基本的なルールはしっかりと確立されているが、そこにどうアレンジを加えていくかは自分次第。使っていくうちにも、どんどん使いやすい方法やルールに進化させられるのが「バレットジャーナル」の大きな魅力だ。バレットジャーナルに正解はないし、世の中にひとつも同じ「バレットジャーナル」はない。

 だから「バレットジャーナル」に少しでも興味を持ったら、躊躇せずにまずは始めてみてほしい。絵心がなくても、字が上手でなくても、全く問題ない。「バレットジャーナル」はきっとあなたの毎日をより充実したものにしてくれるはずだ。