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 篤子さんはさっそく、起立性低血圧を診てくれる脳神経内科を受診した。

 ちなみに脳神経内科は脳や脊髄、神経、筋肉の病気を診る内科。神経内科と標榜するところも多いが、精神科や心療内科と混同されることが少なくないため、「神経内科ではなく、脳神経内科と標榜(ひょうぼう)しよう」と日本神経学会が変更を決めた。精神科が、おもに気分の変化(うつ病や躁病)や精神的な問題を扱い、心療内科が、精神的な問題がもとで体に異常をきたしたような病気を扱う科であるのに対して、脳神経内科は、精神的な問題からではなく、脳や脊髄、神経、筋肉に病気があり、体が不自由になる病気を扱う。

 篤子さんのように、体のあちこちで症状が見られる場合はまず、脳神経内科でどのような病気か診断し、他科へ紹介してもらうと安心だ。

 問診と検査の後、医師は言った。

「起立性低血圧ですね。低血圧には、常に血圧が低いものと、あなたのように立ち上がったときに血圧が下がるものの2種類があります。通常の病院の検査では、座るか、立つかした状態での血圧しか測定しないので、分かりません。

 普通、人間の体は、自律神経や内分泌系の働きによって、どんな体位でも脳に一定量の血液を送り込めるよう調整されています。

 でも、起立性低血圧の方の場合、体位の変化に自律神経が対応しきれず、血液が脳にちゃんと送られなくなって、脳が虚血状態になり、立ちくらみなどが起きてしまう。