就活ルール廃止で何かが終わった感じに
「働くのが嫌だ」と口にする学生も

――昨年、経団連の中西会長より、「2021年春入社の学生から(採用選考の時期を定めた)就活ルール廃止」の発表があり、大きな衝撃となりました。

 今年4月から3年生になる学生から「採用選考に関する指針」が廃止になるわけですから、今年の新入社員たちには影響はありませんでした。ただ、「これでガラッと変わるんだな」「何かが終わった」と感じた学生は多かったと思います。

 いわゆる日本型の企業組織を形作るための大きな軸だった「定期一律採用」がなくなることで、今までの制度が終わり、日本企業の体質が変化していくことを感じ取っているようです。ですから、今年の新入社員には、さきほど挙げたような日本企業に期待しない傾向が昨年以上に増幅したように見えます。

 4月からは働き方改革関連法が施行され、ブラック企業を恐れる今の学生からすると、残業が当たり前の世界が変わることに期待はあると思います。しかし、どちらかというと、先ほどから挙げている日本企業の変化と働き方改革関連法の施行によって、カオスな状態になることをイメージしているようです。

 そのせいか、「働くのが嫌だ」「就活なんて嫌だ、やりたくない」と本音を口にする学生も少なくありません。就職氷河期世代の学生も心の中では思っていたでしょうが、内定さえ見えないなかでは、とても口にできなかったのでしょう。就職氷河期の頃の学生が、言えずに隠していた“本音”を彼らがやすやすと口にできるのは、やはり売り手市場だからです。

AIスピーカーと同じで
新入社員は声をかけないと動かない

――上司や先輩世代は、こうした特徴のある今年の新入社員と接する際、どのようなことに気を付けるべきでしょうか。

 かつては新入社員が入ってくると、上司や先輩たちは彼らを会社の色に染めようとしていたかもしれません。しかし、それはもう無理でしょう。就職氷河期世代であれば、上司や先輩に付き合っただろうと思います。なぜなら、「入れていただいた」という気持ちがあるからです。