言語を操ることだけを
学ぶことは残念な結果に

 日本では、いきなりそこまでの飛躍は難しいのが現状だが、想像力の大切さは教える大人が最も理解しておかなければならないと、現役のエンジニアたちも強調していた。プログラミングでは、言語を使いこなせるのと同じくらいに重要なのは、「自分がどの分野で、どんなサービスを作りたいか」という目的を考えることである。

 プログラミングの言語は主要なものでも30以上あり、目的によって使用される言語が異なっている。ウェブサイトを作りたい、スマホのアプリ開発をしたい、統計学に利用されるような高度な計算がしたい、といった目的を達成させるために適した言語が開発されているのだ。それがさらに進化し、新しい言語が生まれる可能性もある。プログラミング言語を覚えても、それで実現するモノやサービスがイメージできなければ、残念なスキルになってしまうだろう。

 教える側がその関係を理解して、だから「プログラミングには想像力が必要」だということを含めた「プログラミング的思考」を小学生に分かりやすく伝える教育が望ましい。

 子どもたちが将来、みんなプログラミングを必要とする職業に就くわけではないが、何ができるかを考えることは、変化する社会のどこにいても新しい価値を見つけることにつながっていくはずだ。

 そして、日本をもっと稼げる国にしたいなら小学校のプログラミング授業は、楽しんで学ぶ場にすることも大事だろう。

 子どものクリエイティブな伸びしろは、成績よりも態度から表れてくる。子どもたちの素直な好奇心に障壁を作るような点数評価を持ち込んで、彼らの未来の可能性を妨げてはいけない。

(まついきみこ@子どもの本と教育環境ジャーナリスト/5時から作家塾®)