「自ら選ぶこと」が、幸せな人生を
送れるかどうかの決定的な差
物質至上主義とは、言い換えるならば、車や家などモノや場所などさまざまな制約に縛られて生きることでもあります。そうした制約から解放され、自由に生きること。
「Less is more」は、人生を楽しむために、とても重要な思想だと思うのです。
今の世の中は、過去の幸せの価値観やストーリーを追い求めていくと、ハッピーではなくなってしまう時代です。
もちろん、うまくいっている人もいるでしょう。しかし頑張って働いて、モノを買って、昇進したり年収が上がったりしても、どこか幸せを感じられないという人が増えているのは、冒頭のランキングのとおりです。
先ほど述べたサブプライムローンの例はアメリカの話ですが、けっして他人事ではありません。給料が下がる、会社がなくなる……当たり前だと思っていたストーリーが崩れてしまうことは、今や日本人の誰にでも起こり得る問題です。まずは、その事実に気づかなければなりません。
最近では、2005年に私が感じたように、流行のファッションやブランド品を買うため、あるいは高級車やマイホームを手に入れるために、長い通勤時間、ストレスフルな仕事や人間関係を続けることに違和感を覚える人も増えてきました。
モノに興味がないといわれる「草食系」世代が登場したのも、まさにそのひとつの流れだし、私のように、好きなところに住んで自由に働きたいとデュアルライフを始めるのもそう。
広告やCMなどに影響されてライフスタイルをつくるのではなく、本当に自分にとって大切なもの、幸せはなんだろうと考え、自ら選ぶこと。それが、幸せな人生を送れるかどうかの決定的な差です。
個人の幸せについてもそうですが、たとえばビジネスを始めるにしても、マーケティングをするにしても、幸せの価値観が変わり始めたことをベースにして考えなければ、うまくいくはずもありません。