研修で聴き手の「反応」を引き出す3つのノックの仕方研修は参加者の興味・関心の度合いに応じて、柔軟に進め方や話の内容を調整する必要がある。しかし実際、無反応な受講生は多い(写真はイメージです) Photo:PIXTA

研修の参加者に反応を
表出してもらうには何が必要か

 私はこれまで、1500名の社内講師のみなさんと研修でご一緒してきました。そこで抽出された「社内講師が直面しがちな悩み・課題」のトップ5は以下のようなものです。

【社内講師が直面しがちな悩み・課題トップ5】

・第1位:参加者の興味・関心を惹きつけられない
・第2位:聞き手の反応・理解度がつかめない
・第3位:参加者の期待・ニーズと合っているか不安
・第4位:うまく参加者から意見が引き出せない
・第5位:参加者にバラツキがある

 今回は2番目に意見の多かった「聞き手の反応・理解度がつかめない」について取り上げて行きたいと思います。

 連載第1回でもお伝えしたように、研修はプレゼンと違って一方的に話して終わりではなく、参加者に何かしらの知識を習得してもらったり、意識面での変化を促したり、さらには研修後の実践・行動変容につなげてもらったりする必要があります。そのため、参加者の興味・関心の度合い、現場業務との関連性、理解度合いに応じて柔軟に進め方や話の内容を調整する必要があります。

 その一方で、よほど素直な新入社員でもない限りは、「ムスッとして表情が全く変わらない」「うなずきも相槌もなければ、メモも取ってくれない」といった無反応な受講生が多いのも実態ではないでしょうか。講師として気持ちよく進めるためにも、効果的な学びを生み出すためにも、参加者に反応や理解度を表出してもらうのが理想ですが、そのためには何が必要なのでしょうか。