このように2%の想定利回りを達成できない加入者が数多くいる中で、平均が2.8%の運用利回りになっているということは、逆に大きな運用利回りを獲得している加入者がいるということ。つまり、運用をする人と運用しない人で二極化していると言えるでしょう。現代社会には、様々なところで格差が生じていますが、老後の資産形成においても運用している人と運用していない人で大きな差が生まれつつあります。では、このような格差を無くすにはどうしたらよいのでしょうか?

運用格差を無くすには

 当然、DC実施企業もこの格差を無くすべく努力しています。具体的には、投資教育を実施することで、従業員(DC加入者)が運用の必要性に気づき、そして運用を始めるよう促しています。

 一方、アメリカの研究では投資教育で加入者に運用の必要性を理解させることはできても、加入者の行動を変えさせて、預金から投資信託などにお金を移させる効果は限定的という研究結果もあります。つまり、投資教育だけでは限界があるということです。

 この限界を打開する大きなツールが「指定運用方法」です。これは2016年に公布された確定拠出年金法改正で導入されたもので、以前はアメリカのDCにちなんで「デフォルト商品」と呼ばれていました。アメリカでは、この「デフォルト商品」を投資信託(主にターゲット・イヤー・ファンド)とすることで、DCに加入したけれど何に投資したらよいかわからない人が自分で商品を選択しなかった場合、そのお金を自動的に投資させ、適度にリスクをとってリターンを狙う運用をさせています。これによって、運用格差が広がるのを防いでいるのです。

年齢に応じて自動的に資産配分を保守化していく投資信託