――筆者のジェラルド・F・サイブはWSJのチーフコメンテーター ***  トランプ米政権の歴史が記される時が来るとすれば、2017年半ばのある場面が決定的な瞬間になるかもしれない。つまり、側近によって、トランプ大統領は自身の首を絞めずに済んだ瞬間だ。  ロシア疑惑に関するロバート・モラー特別検察官の捜査報告書が先週公表された。それによると、トランプ氏は2017年6月17日、当時ホワイトハウスの法律顧問を務めていたドン・マクガーン氏の自宅に電話をかけ、モラー氏を解任するよう司法省に指示することを命じた。