ただ、新たに採用する場合も含め、組織全体が「マインドもスキルも高い人」ばかりならいいが、実際には多様なレベルの人材がいる。下図のAとBの部分、すなわち「マインドは高いがスキルは低い人」「スキルは高いがマインドは低い人」のどちらかを選択しなければならない場合も多い。読者の皆さんは、AとBではどちらの人材を選ぶだろうか?

「マインド」と「スキル」のどちらを重視すべきか

 当たり前のことだが、組織は個人が集合してこそ成り立つものだ。上記のAとBの選択を見れば、そのリーダーが組織の何を重視しているか一目瞭然である。そして、リーダーの選択の連続により形成される組織自体も、下図のように、(1)の「マインド」重視型か、(2)の「スキル」重視型の組織へと収斂していく。

 では、組織として考えた場合、(1)「マインド」重視型と(2)「スキル」重視型のどちらが強いだろうか。私が多くの企業の組織戦略を支援している中で見た場合、短期的には(2)の「スキル」重視型組織のほうが業績は上がりやすいが、中期的には(1)の「マインド」重視型組織のほうが強い組織になっていることが多い。そして結果的には、(2)の組織のほうが多くの組織課題を抱えている。そのため、(1)の「マインド」重視型組織を目指すことを勧めたいものの、実際、日本の企業では(2)「スキル」重視型の組織が多くを占めているようだ。

 組織が「スキル」偏重になる理由の1つには、「マインド」は目に見えず見極めが難しいが、技術や実績などの「スキル」は見てわかりやすく、評価しやすいことがある。また、高いスキルを生かし、短期的に最大限のパフォーマンスを発揮してもらいたいという期待もあるだろう。

 しかし、いかに「スキル」が高くても「マインド」を伴わない人が、本気で最大限の力を発揮してくれるだろうか。

 組織全体を、船に例えて考えてみよう。