そうやって生まれた灯火のような「妄想」を、「どうせこんなアイデアなんて…」とかき消すことなく、膨らませていかなければいかない。そこで今回は「具体的にどうやって妄想を膨らますか」の観点から「手の動かし方」を1つご紹介しよう。

まず、妄想の手がかりは、「好きだったもの」のなかから探すのが正攻法である。

このとき、ただ頭のなかにそれらを思い浮かべるだけでは、うまくいかないかもしれない。「好きだったもの」を抽象的に思考したり、文字にしたりするだけでなく、具体的な画像をプリントアウトして机の上にバッと並べてみよう。

こうすることで、体感覚(Kinesthetic)と視覚(Visual)の刺激が得られるようになる。素材は、スマホのカメラロールのなかにある写真データでもいいし、ネットで画像検索したものでもかまわない。PhotoPinなどにキーワードを入れて検索すると、洗練された構図の画像が簡単に見つかるのでおすすめだ。

「好きなもの」の写真の素材のなかからピンとくるものを6〜10枚ほど集めて、机のうえに並べ直してみよう。それらはすべて、あなた自身のワクワクを呼び起こす何かを持っているはずだ。

次に、それらを貼り合わせてコラージュをつくっていく。A3サイズのスケッチブックを用意し、見開き2ページに貼ってみてもいいし、大きめのサイズのコルクボードにピンで留めてもいいだろう。これが偏愛コラージュだ。

それぞれの写真の下には「好きになった理由」「好きな要素」などを短いキーワードにして書いておく。ビジョン思考は、単なる右脳思考ではなく、イメージモードと言語モードを行き来することに主眼がある。この段階でも、簡単な単語レベルでかまわないので、「言葉」に落とし込む作業をやっておこう。

偏愛コラージュ(筆者作成)

偏愛コラージュのポイントは、忘れかけていたものも含め、いまのあなたを形づくっている「好き・関心」を一覧化していることにある。

しかも、それをPCのフォルダの奥深くにしまい込むのではなく、空間を占める具体物にするからこそ意味がある。

コラージュをつくったら、自室の目立つところに貼り出してみよう。これは今後、あなたのビジョン駆動型の思考力をしっかりとつなぎとめる「錨」になってくれる。