米株式市場ではS&P500種指数が最高値を更新したが、他の主要国の株式相場はまだ2018年の高値に戻っていない。だが、米国株の力強いアウトパフォーマンスは永遠には続きそうにない。低金利とバリュエーションの高騰が米国の強気相場をけん引したとはいえ、金融環境は他の市場とさほど変わりはない。ここ10年に米国株が他の大半の市場をしのぐ上げを演じた最大の理由 ― そしてその傾向に限度がある理由 ― は、もっと基本的な部分にある。企業利益だ。ファクトセットのデータによると、2008年初め以降、米国株の1株利益(EPS)は80%増加した。一方、日本企業の利益は同じ期間にドル建てでその半分ほどしか増えず、新興国市場では横ばいだ。欧州企業の利益は依然として金融危機前の水準を下回っている。