日本の政策金利はマイナス圏にあり、量的緩和も継続中だが、金融政策の先行きを巡る議論ではタカ派が優位に立っているようだ。そこから読み取れるのは、安倍晋三首相が提案する消費税の引き上げが経済成長を頓挫させたとしても、投資家は日銀の支援をさほど期待すべきではないということだ。日銀が先週の政策決定会合で示した3年後の消費者物価指数(CPI)の見通しは、黒田東彦総裁の就任以来で最低の水準となった。黒田氏は2013年、2%のインフレ目標を導入した。日銀は2022年3月までの会計年度について、CPI上昇率を1.6%と予想。最も楽観的な政策委員でさえ、上昇率はわずか1.7%と予想している。だが、これと矛盾するかのように、政策委員会による「政策金利の先行き指針(フォワードガイダンス)」はタカ派寄りに傾いた。2020年の春ごろまで短期金利をマイナス0.1%に据え置く方針が明記されたが、従来指針では単に「当分の間」と、期限を定めずにその水準を維持するとしていた。
消費増税巡る景気懸念、日銀の支援は期待薄か
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