一口に「意見が出てこない」と言っても、このことは様々な要因を孕んでいます。たとえば、以下のようなことです。

・「何を言っても大丈夫」という安心・安全な場になっていない(場づくりの問題)

・参加者が意見を出し合う学習スタイルに慣れていない(参加者特性の問題)

・「何を答えていいのかよくわからない」状態になっている(講師の投げかけの問題)

・そもそも研修に対して後ろ向きである(参加者のモチベーションの問題)

 全ての問題に対して解決策を論じるほどのスペースがないため、ここでは「参加者が意見を出し合う学習スタイルに慣れていない」、すなわち日本人特有ともいえる、「意見を発することへの遠慮(消極性)」に、どのように対処できるかをフォーカスしようと思います。

自分の意見を人前で
話すことにためらう日本人

 そもそも、日本の学校教育の弊害だと思いますが、どちらかというと日本人は、子どもの頃から黙って先生の話を聞く受講スタイルに慣れており、他の人と議論を交わしたり、自分の意見を人前で発表したりすることにためらいがあります。

 具体的に研修内の話し合いの場面をイメージすると、一般的には、(1)講師からの指示出し→(2)個人考察→(3)グループ討論→(4)全体共有というステップを踏みます。

 この一連のプロセスの中で、消極的な受講生が乗り越えるべき壁が2つあります。

(1)グループメンバー(グループ内の共有)に対する遠慮((2)→(3)で発生)
(2)場(全体共有)に対する遠慮((3)→(4)で発生)

 各々の「遠慮」に対する対処策を順番に見ていきましょう。