耐震改修に進みやすい
物件を見極めるには

 旧耐震物件では、大規模修繕や耐震補強がスムーズに進むかどうかを見極めたい。管理組合は活発に動いているか、管理会社はどこか、修繕積立金や管理費の滞納状況、住民トラブルの有無などが手がかりになる。

 建物と住民がダブル高齢化している物件や、賃貸比率の高い物件、住民の所得格差が大きすぎる物件などは概して合意形成が難しい。

 耐震診断や耐震補強への公的補助制度も、合意形成を後押しする要素だ。自治体によって補助率にかなり差があり、最近拡充・強化された制度もあるので、自治体のホームページや窓口で確認したい。

 例えば東京都は今年4月から「特定緊急輸送道路沿線建築物」に対して、耐震診断を義務化した。対象建物の耐震診断はほぼ無料、診断結果に基づいた耐震改修には費用の最低3分の1、最大では6分の5の助成金が出る(補助率は区によって異なる)。都では、対象マンションから依頼があれば、管理組合の総会などに職員を派遣して詳しい説明を行っている。

住戸内リフォームは
どこまでできるか

 マンションの場合、個人でリフォームできるのは専有部分だけ。玄関ドア(外側)やバルコニー、窓ガラスなどは共有部分になる。間仕切り壁は撤去できるが、コンクリートの構造壁をいじることはできない。水回りの移動も構造や配管上、制限される場合がある。
リフォームを前提に中古マンションを購入する場合は、構造や配管、管理規約等を調べてどこまで要望を実現できるか、最初に調べることが肝心だ。

 また、工事中も共同住宅ならではの気配りが欠かせない。資材搬入時の養生や騒音、工事時間などに対する配慮を欠いてトラブルになると、入居後の人間関係もギクシャクしてしまう。マンションリフォームの経験が豊富な業者を選びたい。

 室内の安全性を高めるという点では、家具を造り付けにしたり、ウオークインクローゼットや納戸にする方法も有効だ。過去の地震でも、けが人の4割前後が家具類の転倒や落下によるものという調査結果がある。

 また、新しく家具を購入するときは開き戸より引き戸が安全。開き戸の場合は耐震ラッチ(扉をロックできる器具)付きのものを選びたい。

 家具の配置や設置方法でも安全性は高まる。寝室や、家族の集まるリビングには背の高い家具や倒れやすい家具はできるだけ置かない。置く場合は壁と家具をL字金具で固定する。リフォームや引っ越しと一緒に済ませれば、たいした費用も手間もかからない。

※写真と本文は関係ありません