1980年代、国防大手のロッキード・マーチンは「ヘルファイア」ミサイルを導入した。レーザー誘導式のこのミサイルは戦車を標的としたもので、装甲を突き破った後、内部で爆発し戦車を破壊する。ヘリコプター発射用にデザインされたヘルファイアは、無人ドローンによる攻撃にふさわしい兵器であり、2001年10月にアフガニスタンで初めてドローンに搭載して使用された。しかし問題点もあった。ヘルファイアは、戦車の破壊を目的としているため、小さな爆発半径の成形炸薬(さくやく)の弾頭を備えている。だが、そのデザインは、標的とする人間に対しては、必ずしも効果的ではない。2003年まで国防総省で過激主義団体の最高指導者など重要な標的を狙う責任者を務めていたマーク・ガーラスコ氏は、「車は破壊できるが、乗っていた人は逃走することもあると分かった」と述べた。