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とにかく可愛く、
とにかくユルい作品
笑う埴輪の兵士。
相撲をとる蛙とウサギ。
シャボン玉を吹く金魚。
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本書『ゆるカワ日本美術史』に登場する作品は、とにかく可愛く、とにかくユルい。
アートの文脈をひもとくと、西洋では19世紀半ばのルネサンス以降、より実物に肉薄するリアリズムの追求が芸術の目標だった。ミケランジェロの彫刻は肉体をリアルに再現し、遠近法をふまえた絵画は実際の風景があるかのように見せた。そこからセザンヌやゴーギャンなど印象派の画家達が表れ、リアリズムに取って代わるものとしてモダンアートが生まれるようになる。
つまり欧米主体のアートヒストリーでは、ゆるくてかわいい文化は育たなかったことがわかる。一方、日本の文化はアニメや漫画などのエンタテインメントが豊富で、日本はキャラクター天国とも呼ばれている。