早期退職は非現実的!
月間支出70万円が最大の問題

 年収が1300万円(今後は減少)もあるにもかかわらず、奥さんから「やりくりが厳しい」とぼやかれているというEさん。

 Eさんは、残り短い定年までの期間(正社員でいられる期間)、娘が成人するまでのサポート、退職以降の老後の夫婦生活や定年後の勤労継続の準備、妻の両親のサポートをきちんとしたいという希望をお持ちです。また、筆者の過去のコラムを読まれて早期退職にも興味を持たれています。

 最初から酷な言い方になりますが、Eさんが早期退職を考えているならば、現在の支出額をかなり減少させなければ、厳しいといわざるをえません。また、もし60歳での完全リタイアを考えているなら、それも支出額の減少がカギになるでしょう。

 年収が額面で1300万円と書かれている一方、年間貯蓄額は160万円です。手取額が1000万円以上あるにもかかわらず、年間貯蓄額が160万円ということは、年間支出が840万円、月間にすれば70万円の支出になります。

 今後、2020年には年収1000万円、2021~2023年には同870万円に減額となる予定とのこと。大まかに社会保険や所得税・住民税の合計を20%とすれば、手取額は800万円、696万円になり、支出が840万円で変わらないままなら、2年後には赤字家計になってしまいます。

 しかも、娘さんは高校2年生。これから教育費が最もかかる期間になりますから、早ければ来年にも赤字となり、貯蓄の取り崩しが必要になる可能性も高い状態です。

 貯蓄は1000万円あるため、教育費を貯蓄で全額賄うことは可能ですが、60歳の定年退職時までに貯蓄残高を増やさなければならないのに、反対に貯蓄を減少させてしまうのは非常に危険です。つまり、Eさんがまずやらなければならないのは家計の見直し、いわゆる支出の減額(ダウンサイジング)になります。

 現在、Eさんのご家庭で「家計簿」をつけられているのかはわかりませんが、家計の見直しに家計簿は必須です。近年、スマートフォンのアプリを利用した家計管理がはやっているものの、できれば手書きの家計簿を付けて細かく支出の内容を把握するようにしてください。

 そして、数ヵ月家計簿をつけた後、支出の見直しを行います。支出を減額する方法は、全ての項目を一律15%あるいは20%カットするのが簡単ですが、この方法は簡単であるものの長続きしない傾向があります。長続きさせるためには、支出にメリハリを付けることが大切です。