ローソン社長 竹増貞信氏竹増貞信・ローソン社長 Photo by Toshiaki Usami

人手不足問題を受けて、コンビニエンスストア業界3位のローソンが強調するのは従来から加盟店支援に取り組んできたということ。『週刊ダイヤモンド』のインタビューに応じた竹増貞信社長は、ロイヤルティーの料率は下げないとしつつ、今後は複数店経営を奨励して加盟店の経営基盤を強化する考えを示した。『週刊ダイヤモンド』6月1日号の第1特集「コンビニ地獄」では、コンビニ業界が置かれた厳しい現状を取り上げる。(聞き手/ダイヤモンド編集部 岡田 悟)

自動釣銭機はひっくり返してセルフレジになる

――24時間営業の是非など、一連のコンビニエンスストアの加盟店の負担が議論の的になっています。ローソンとしてどのような取り組みをしていますか。

 私が副社長としてローソンに来た2014年ごろ、加盟店から寄せられる声は、「あの什器が使いにくい」とか、「あの商品が売れない」といったものが中心でした。

 しかし3年ほど前からは、「従業員を募集しても来ない」「オーナー自らシフトに入らざるを得ない」といった声が増えてきました。そこで、例えば自動釣銭機を導入して従業員の負担を減らすなど、加盟店支援のための大きな先行投資をしてきました。すでに店舗に導入している自動釣銭機は、ひっくり返すだけでそのままセルフレジとして使えます。

――他の大手2チェーンと異なり、オーナーとの協議の場も設置し、各エリアの代表と本部の経営陣が意見交換をしています。

 オーナー福祉会理事会は年に2回開催し、私たち本部の経営陣が時間無制限で意見を聞いて、施策に生かします。各地域では「エリア会」を開催して、オーナー同士の交流を奨励しています。

 私もオーナーのみなさんも、やはり経営者は孤独です。孤独であっても、孤立してはいけない。そのために、オーナー同士で支え合い、本部にいつでも物が言える仕組みがあるのは、ローソンのいいところです。