私自身、他店での修業時代も含めて、ダメなエピソードに事欠かない「できない人」ですが、そんな私の目から見ても、「99%の人ができている」ことができない人が、必ずいるのです。

 例えば、上記の塾経営者の方がお話しになっていたような事務処理のミスです。未来食堂の例でいえば、決まった場所にスタンプを押すという作業だったり、手を洗ったらタオルで手を拭く、といった単純なことです。

 開業当初、覚えの悪いまかないさんに対して、ついイライラしてしまう自分がいました。

「こんなことができない人は、まさかいないだろう」と作業レベルを下げても、その想像を必ず下回る出来事が起こるのです。
 
 どうしたら、この状況を変えることができるのか。このイライラが続くと、お店の空気も悪くなり、自分自身も疲弊していきます。しかしイライラしないようにしようと心に決めても、ランチピーク時の忙しさに疲弊した私には、無理でした。精神論には限界があります。そこで考えたすえ、次の3つのことを決めました。

 1つ目は、できない人を変えずに、誰でもできるように仕組みを見直す

 2つ目は、相手に期待しない

 3つ目は、できない人を仕組みでサポートする

 具体的にお話ししていきましょう。

 これは未来食堂での例です。

 ある日のこと。サラダの盛りつけをまかないのAさんに頼むと、なぜか緑のピーマンと赤ピーマンの盛りつけにバラつきが出て、ある皿は緑ピーマンだけだったり、ある皿は赤ピーマンだけだったりするのです。何度も手本を見せたり、「緑と赤の比率が半々になるようにしてください」と伝えてもAさんのミスは直りませんでした。

 すると、とうとう観念したのかAさんは、「実は軽い色覚障害で、赤と緑がよく分かりません」と打ち明けてくれたのです。これにより、なぜサラダの盛りつけをする時に、Aさんのバラつきが直らなかったのかがわかりました。

 さて、ここでみなさんに問題です。赤と緑の区別ができないAさんに、緑と赤のピーマンが半々になるように盛りつけをお願いしなくてはならないとします。Aさんが失敗しないようにするため、何をしたらいいでしょうか?

 それは、2つの容器を用意し、緑のピーマンと赤のピーマンに分けることです。そうすることで、Aさんはサラダに緑ピーマンと赤ピーマンを交互に入れていけば、バランスよく盛りつけができるようになります。