そして、採用企業の動きも捉えてか、「2月、3月のナビが開くタイミングには『就活前に相談したい』と登録する意識の高い学生が多い」(シンクトワイス執行役員・小柳智和氏)という。

 こうした背景があって、6月の大手企業の面接を前に新卒エージェント経由でも内定を出す企業が続出し、内定率は5月の時点で50%を超えているのだ。

“最後の砦”から“当たり前”に
「採用指針」廃止後の役割は?

 これまでは「自社の採用では学生が取れなかった」場合の“最後の砦”のような存在だった新卒エージェントは、「大企業と対等に戦うための便利な採用ルート」へと役割を変えた。

 それは学生にとっても同じようだ。

「リーマンショック時は、どこからも内定がもらえないから新卒エージェントを使わなければならないという学生さんが多いようでした。しかし、最近では『こんな便利なサービスがあるなら使わない手はない』という感覚で、早い段階から使ってくれている学生が増えています」(平原氏)

 さらに、新しい新卒エージェントの形も生まれている。それが、シンクトワイスが展開する「エンジニア就活」だ。現在では、1万人が登録しているという。

「何がやりたいのか決まっている学生には、企業名ではなく、どんなプロジェクトやプロダクトがやれるのか、ナビサイトでは分からない仕事へのニーズがある。そこで、我々は配属まで追ってマッチングしている」(猪俣社長)

 2021年以降に入社する学生に関しては、経団連が「採用選考に関する指針」を策定しないと発表し、各社の採用活動が自由な時期に行われるようになる。その際に重要になるのが、企業側の適切な情報提供と、企業と学生の適切なマッチングだ。

 データとヒアリングをもとにしたマッチングと、丁寧なヒアリングによるミスマッチの防止。これが新卒エージェントの活用によって実現できれば、2021年卒採用以降、企業と学生からの需要はますます高まっていくだろう。

(ダイヤモンド編集部 林 恭子)