大学スポーツの統括組織である「大学スポーツ協会(UNIVAS=ユニバス)」が発足したのは今年の3月1日のことである。197大学、31競技団体が加盟してスタートしたこの組織は、全米の1200以上の大学が加盟する「全米大学体育協会(NCAA)」を目指したものとされる。しかし、それから3ヵ月がたった現在、ユニバスの具体的な活動内容はほとんど明らかになっていない。ユニバスが日本版NCAAとなることは果たして可能なのか。横浜DeNAベイスターズの初代社長であり、ユニバスの設立準備委員会で主査を務めた池田純氏が、ユニバスの問題点と大学スポーツに懸ける思いをつづった。

生かされなかった本場米国からの助言

横浜DeNAベイスターズの初代社長・池田純氏が、大学スポーツ統括組織「ユニバス」の問題点を指摘します。
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「ユニバスを日本版NCAAにしたいのなら、組織の主要メンバーはこれまでの大学スポーツ界としがらみを持たず、戦略的に戦える顔ぶれにすること。そしてそのリーダーには実績ある経済人を据えるべきだ」──。

 私がユニバスの設立準備委員会に籍を置いていた頃、スポーツ庁長官の鈴木大地氏が大学スポーツを統括する組織の設立に向けて本場NCAAの関係者からそう助言されたそうです。

 確かに日本版NCAA設立という壮大なプロジェクトを進めるには、古いしがらみを絶ち、新たな血を注がなければならないのは当然のことだと思います。しかし、発足したユニバスの組織構成を見ると、しがらみに配慮し、調整することが重要視されているかのようで、本場のNCAAをよく知る人材、大学スポーツの最先端にいる実践家も入っていません。冒頭に紹介したような大学スポーツの本質を理解する方からのアドバイスはまったく生かされていないことが分かります。このままでは、ユニバスが日本版NCAAのような発展を見せることはない。そんな強い危惧を私は抱いています。