文系が生き残るために必要な
「三種の神器」とは?

 これからの時代を文系が生き残るためには、「まずは市場価値を高めなければならない」と岩崎氏は言う。

「(1)英語、(2)ファイナンス、(3)コンピューター(プログラミング)は三種の神器です。これは会社で上を目指すにも、転職するにも、起業するにも必要になるスキルです。特に英語は必須です。人工知能が発達し、翻訳ロボットが身近になっても、人と人とのコミュニケーションに勝るものはありません。ファイナンス、コンピューターは、お金、システムの流れを把握し、人にしかできない決断を下すのに役立ちます。時間がかかってもいいので、1つずつ習得してください。市場価値を高めなければ、社会の歯車となって、忙しく働き回るだけです。それでは、長期的な目標を考える余裕も持てません」

 しかし働きながらでは、スキルアップの時間確保は難しいのではないだろうか。

「会社よりも自分を優先すれば、勉強する時間はできますよ。そう言うと、上司に嫌われたら出世できなくなると思う方もいるかもしれません。ですが私の経験から言えば、興銀のときに上司の機嫌をとっていた同僚は、合併によって多くが出世どころではなくなりました。バブル期に時価総額で世界第2位になった興銀でさえも、時代が変わればなくなってしまうのです。会社のためと言う人は、きちんと自分と向き合えていないだけではないでしょうか。当たり前の話ですが、自分が人生の主人公なのです」

 日本では文系・理系の分け方が強固であるため、「文系・理系だから」が新しいスキルに挑戦しない言い訳になっていなかっただろうか。

「文系・理系の枠組みは、一種の洗脳ですよ。最近、日本から世界を変えるようなイノベーションが起きない元凶も、文系・理系に分ける教育システムにあるといえます。自分で限界をつくらず、『自分のため』に興味があること、やりたいことにもっと挑戦してみてください。それが結果的には、会社の利益にもなりますし、世界を変える製品・サービスの発明につながっていきます」