本年4月から働き方改革が始まりました。残業時間の制限に始まり、職の流動性も高くなることが期待されますが、産業医から見た就職転職の際に、ぜひ知っておいてほしいうつ社員の多い会社と少ない会社について、お話しさせていただきます。(医師・医学博士・日本ストレスチェック協会代表理事 武神健之)
うつ社員が
多い会社の共通点
私は産業医として年間1000人の働く人たちと面談する中で、長時間労働しても病気にならない人もいますし、残業が少なくても病気になる人が確実にいることも見てきました(長時間労働を肯定しているわけではありません)。
誤解を恐れずに言えば、時間外労働が多ければ「疲労」がたまります。しかし、それが健康障害につながるか否かは、そこには個々人の体力や気力、許容度、やりがい、やらされ感、自己成長の実感や上司同僚からの承認等々、労働時間だけでは説明しきれない要素があると考えます。
要するに、各自各会社の働き方があり、その結果が時に長時間労働になるのです。必ずしも、“長時間労働”という働き方が原因として先にあるのではないのです。
数年前の電通の若い社員の自殺事件や4月からの働き方改革で、労働(残業)時間や違法残業という言葉に、社会的な注目が集まっています。
しかし私はそれよりも、この疲労を生み出している労働環境こそ、就職転職の際にぜひ注目していただきたい点だと思っています。