それどころか「肝臓はサイレント臓器」とも言われるように、脂肪肝がだいぶ進んでも、痛くもかゆくもありません。現に、脂肪で肝臓が真っ白になっているのに、相変わらず食べすぎ、飲みすぎを続けている人も多く見られます。

 自覚症状がないために、なかなか危機感を抱きづらい。これが脂肪肝の最大の落とし穴です。

 見た目にも感覚的にも察知できませんが、数値は正直です。気づいたときには手遅れだった……とならないよう、肝臓の数値にも、よくよく注目しましょう。

なぜ、お酒を飲まないのに
γ-GTPが高いのか

 肝臓の数値は、健康診断でもおなじみのとおり、GOT、GPT、γ-GTPの3種。どれも、たんぱく質の代謝に使われる酵素の一種です。

 これらがどれくらい血液中に漏れ出ているかによって、肝臓が正常に働いているか、何かしら支障が起こっていないかを判断します。

 GOTが基準値の7~38U/L、GPTが基準値の4~44U/Lを超えていたら肝炎や肝臓ガンが疑われます。

 お酒が好きな人は、検診のたびにγ-GTPを気にしているかもしれませんね。

 たしかにγ-GTPはアルコールに反応するため、お酒をよく飲む人は高い傾向があります。ただ、検査の前日にお酒を飲んだときなどは、肝臓に不具合がなくても高い数値が出ることがあります。

 加えて、肝臓は薬剤の解毒処理も行なっているため、薬をよく飲む人はγ-GTPが高くなることがあります。これを「薬剤性肝障害」といいますが、まれに、たまたま検査の前日に飲んだ薬の影響で、一時的にγ-GTPの数値が高くなることもあります。

肝臓の本当の状態を知るには、やはり何回かぶんの検査結果を比較したほうがいいでしょう。

 GOT、GPTが基準値以内で、γ-GTPが基準値(男性は70、女性は35)を超えていたら、「飲みすぎ」による脂肪肝のサインです。

 この「アルコール性脂肪肝」を放置すれば、アルコール性肝炎に発展し、肝硬変、肝臓ガンのリスクが高くなります。

 また、お酒を飲まないのにγ-GTPが基準値を超えていたら、「食べすぎ」による脂肪肝のサインです。これは「非アルコール性脂肪肝」と呼ばれますが、先に待ち受けるものはアルコール性脂肪肝と同様、肝炎、肝硬変、肝臓ガンです。

 過去何回かの検査結果を見て、γ-GTPが高めならば、この段階で早々に食べ方、飲み方を改善し、肝臓を救っていきましょう。