近年、体調管理やダイエット効果から話題となっている「断食」。横綱・白鵬関や五輪金メダリストのカール・ルイスなど数多くの著名人が実践していることでも話題となっている。しかし、いざ「断食」を実践するとなるとハードルが高く感じるだろう。そこで、30年間「断食」にまつわる研究を行ってきた山田豊文氏の著書『脳と体が若くなる断食力』(青春出版社)から、「断食」の意外な効果や週末にできる「断食」の方法を紹介する。
横綱・白鵬を優勝に導いたのは「断食」だった!?
一流と呼ばれるアスリートたちは心身ともに日々厳しい鍛錬を重ねているものだが、なかでも超一流と呼ばれるアスリートほど、食の重要性をよく理解しているものである。そのことを如実に物語るのが、平成の大横綱・白鵬関だ。もともとは肉が好物でお酒もよく飲むという、典型的な力士に見られるような食生活を送っていた。しかし、怪我のために2016年の秋場所を休場。このとき、抜本的な肉体改造に取り組むべく、断食を行うに至ったのである。
とはいえ、大相撲の力士にとって、「食べない」という選択は非常に受け入れがたいものである。ボクシングや柔道などのほかの格闘技とは異なり、階級が分かれていない大相撲では、ウエイトが重いほうが有利に決まっている。そのため力士たちは、たとえ一時的であっても、「体重が減る」ということに大きな不安を抱いているのだ。