そうした現実を無視して、非公開を隠蔽と決めつけてWGと原氏を非難し続けているのだから、毎日新聞は弱者保護よりも疑惑を盛り上げる方を優先したことになります。

 そしてさらに残念なのは、毎日新聞の報道を受けて、国会で連日開催されている野党PTです。ここで野党議員は連日、内閣府や関係省庁の役人を呼びつけて、WGが行なったヒアリングの“隠蔽”について詰問していますが、その中で、一部の野党議員は規制改革を提案した会社の具体名まで暴こうとしています。

 つまり、毎日新聞と野党議員は寄ってたかって、既得権益者と比べて圧倒的に力も立場も弱い民間企業を危険に晒そうとしているのです。これほどひどいマスメディアと国会議員が結託した弱者イジメは、見たことがありません。

なぜ毎日新聞は
「イジメ」を延々と続けるのか

 それでは、なぜ毎日新聞は疑惑を主張し、「イジメ」を延々と続けるのでしょうか。可能性として最も考えられるのは、原氏を潰したい人たちと通じているということです。原氏はWG座長代理として、国家戦略特区での規制改革を主導してきたのみならず、規制改革会議という別の組織でも、委員として様々な規制改革を推進してきました。その結果として、当然ながらかなり多くの既得権益層(官僚、業界団体、族議員)の恨みを買っているはずです。

 毎日新聞が今回の疑惑を報道するに当たっては、省庁の内部情報をかなり握っていた節があります。かつ、毎日新聞が疑惑キャンペーンを始めたのは、特区の法律改正(スーパーシティ法案)が閣議決定されたすぐ後で、かつ規制改革会議のメンバーがこれから一新される前という絶妙のタイミングであったことも考えると、おそらく原氏を恨む勢力からの情報提供を受けて、動いたのではないかと思います。

 しかし、それが結果的に既得権益を守ることにつながっているかもしれない可能性があることを、毎日新聞は気づいていないのでしょうか。既得権益の擁護に力を貸す一方で、改革勢力と弱者に対する「イジメ」を延々と続けているようでは、毎日新聞はもはや社会の公器とは言えないと思います。毎日新聞の関係者で心ある人には、早くこの当たり前の事実に気がついて欲しいと願うばかりです。

(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授 岸 博幸)