好むと好まざるとにかかわらず、米連邦準備制度理事会(FRB)は世界の中銀だ。そのためFRBは、米経済がリセッション(景気後退)に向かっているからではなく、暗い影が世界を覆い始めているが故に、近く利下げに踏み切る可能性を示唆している。FRBは19日まで開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の据え置きを決める一方、早期利下げの可能性を示唆した。金利の調整は全く必要ないとの立場を示していた7週間前と比べて大きな方針転換だ。ジェローム・パウエル議長は何が変化したのかを説明する上で、とりわけ世界経済の減速を示す指標と貿易摩擦の悪化という2つの動向に言及。米国だけにとどまらず、世界的に信頼感を損ねているとした。