「移民」の受け入れは着々と進んでいますが…写真はイメージです Photo:PIXTA

4月1日の出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律(以下、「移民法」という)が施行されて以降、状況はどうなっているのか。現状と問題点について、指摘したい。(室伏政策研究室代表、政策コンサルタント 室伏謙一)

「移民」受け入れが
着々と進んでいる

 4月1日の出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律(以下、「移民法」という)が施行されて以降、「国民の目」が届かないわけではないが届きにくいところで、外国人材すなわち移民の受け入れが着々と進められている。

 例えば、特定産業分野のうち外食業において、「外国人材」として日本で働くための事実上の資格試験である特定技能1号技能測定試験が、4月25、26日に早々と実施され、5月21日に合格発表が行われた。合格者は347人でその内訳は、ベトナム人203人、中国人37人、ネパール人30人、韓国人15人、ミャンマー人14人、台湾人10人、スリランカ人9人、フィリピン人8人等だ。

 ベトナム人が突出して多いのは、技能実習生としての受け入れ人数が最も多いのがベトナム人であることも背景としてあるのだろう。平成30年6月末の実績で、在留資格「技能実習」で日本に在留しているベトナム人の数は13万4139人であり、年々増加する傾向にある。

 ちなみに2番目は中国人で、同じく平成30年6月末の実績で7万4909人だ。

 なお、これらの数値はあくまでも在留資格「技能実習」に限ったもので、在留している総数では、ベトナム人29万1494人、中国人が74万1656人。多く在留しているイメージのあるブラジル人については、これらの国よりも少なく19万6781人である。