女の機嫌の直し方を知れば、家庭や職場の人間関係が好転すること請け合いだ。女性も本書を読むことで、よりあたたかい目で男性を見つめられることだろう。もちろん、男と女のおかしくも哀しいすれ違いがあるからこそ、人生は面白い。男女が互いの個性を尊重しながら、幸せに生きるための、新たなコミュニケーションの教科書として、本書をおすすめしたい。(松尾美里)

本書の要点

(1)脳の「とっさの使い方」には性差があり、それゆえ、男女の間には深いミゾがある。しかし、女性の機嫌の真相を学べば、よりよいコミュニケーションが生まれる。
(2)女性の対話は「プロセス指向共感型」である。「思う存分経緯を思い出すこと」により、課題への答えが見えてくる。共感によって上手に話を聞いてもらうと、女性脳の演算の質が上がる。これに対し、男性の対話は「ゴール指向問題解決型」である。全体の主幹をシンプルにとらえようとし、結論を先に求める。女性と話す際は、相手の言葉を反復して共感で返すとよい。
(3)心にないセリフでもかまわない。ことばが優しい気持ちを連れてくるからだ。

要約本文

【必読ポイント!】
◆脳には性差があるのか
◇人工知能研究から見えた「男女のミゾ」

 男と女の間には、深いミゾがある。なぜ女性たちは、男性の思いもかけないところで機嫌を損ねるのか。さしたる法則性もないように見える。しかし、女の機嫌の損ねようには類型がある。本書の狙いは、人工知能や脳科学の観点から、男女の脳の違いと女の機嫌の直し方を学んで、対処できるようになることだ。

 ヒトの脳の機能を精査していくと、男女の性差は歴然と存在することがわかっている。著者はかつて、人とロボットの対話の設計に関わっていた。感性の領域に踏み込む人工知能エンジニアとして、男女の対話を徹底的にシミュレーションしてきた。そこで発見したことの1つが、男女の対話スタイルの違いである。女性は、ことの発端から時系列に沿ってプロセスを語りたがる。一方、男性は、最初に話のゴールを知りたがる。これらが相容れないのも当然だ。