次に北海道猿払(さるふつ)村。北海道最北端の宗谷岬をオホーツク海沿いに少し南下したところにあり、ホタテの漁獲量が日本一だ。

 数年前に「猿払村はホタテ漁の漁師が高所得で国民健康保険料が日本一安い(当時)」という新聞記事を読んだことがあり、気になっていたので今回試算してみた。手取り額は豊田市よりも多く、国民健康保険料は12万3100円。保険料が高い松江市の半額程度である。

 漁師は自営業者なので、現役時代から国民健康保険に加入する。若く、健康で(医療費を使わない)、高所得の漁師が保険料収入の多くを負担してくれるため、全体として保険料率が低くなる。猿払村に住む高齢者はラッキーだ(もちろん、現役漁師のときは多くの保険料を負担したことだろう)。

 ふるさと納税で寄付金を多く集めている大阪府泉佐野市も気になった。試算してみると、ワーストランキング5位と6位の間となる。財政の厳しさが、ふるさと納税強化につながったのか…。これについては分析できない。

 年金の手取り額の多寡だけでリタイア後の住まいを決めることはできないが、自治体によって国民健康保険料や介護保険料が異なることは知っておきたい。

 年金生活に入ったら、自分の年金にかかる所得税・住民税、国民健康保険料・社会保険料を把握して、手取り額を計算することをお勧めする。長いリタイア後の生活を送る自分の町の財政を間接的に知ることにつながるからだ。

(株式会社生活設計塾クルー ファイナンシャルプランナー深田晶恵)