1990年代に建設投資80兆円を超えた建設業界はバブル崩壊で長い不況に陥った。90年代後半以降に「週刊ダイヤモンド」が掲載したゼネコン特集は、タイトルが実におどろおどろしい。

 「瀕死」「最終章」「地獄」「大破綻」「最終処理」「総崩れ」「資金切れ」「断末魔」「自滅」……実際、企業破綻が相次いだ。次に潰れるのはどこか?そこに関心が集中した。

 2008年のリーマンショックでどん底に落ちる瞬間に「ゼネコン不動産 同時多発破綻!」を特集してからも、「崖っ縁決算」「消滅列島」「落城」「時限爆弾」と危機を伝えるタイトルが続いた。

 10年に建設投資額が半減した後、下り坂のジェットコースターは上り坂に転じた。11年の東日本大震災で復興特需が発生し、12年に与党へ復権した自由民主党が「国土強靭化」の大号令で公共事業を増やした。東京五輪・パラリンピックの20年開催が決まり、都心の再開発も加速して、上り坂をぐんぐんと上った。

 特集タイトルも「復興バブル」「開発バブル」「気がつけば最高益の罠」「絶好調の先にある深淵」と様変わりした。

 今は絶頂期にある。

 にもかかわらずだ。身売りが多発している。

 本特集「ゼネコン・不動産 動乱! 全国2000社ランキング」では異変の真相、絶好調の深層に迫った。そこから見えてくるのは、今はM&A、廃業など大きな決断をするタイミングであるという一点だ。

vol.1 7/16(火)
絶頂期なのに、身売りが「多発」している

 建設業のM&Aは過去最高水準にある。M&A助言のレコフによると、2017、18年共に100件超。絶頂期なのになぜ?

 廃業数も高止まりしている。東京商工リサーチによると、2018年は休廃業・解散数が9000件を超えた。活況なのになぜ?

 会社を手放すか閉じるほどに、建設業者の後継者難、人手不足は深刻だった。業界の見通しもシビアなものだった。