この狭心症の典型的な症状とは「胸の中央の」「一定の広さのある」「圧迫感」のある痛みです。

 逆に、私たち医師がおそらく問題はないだろうと判断するものは、「左右どちらかに寄った」「ピンポイントの」「刺すような」痛みです。

 実は狭心症の症状は非常に幅が広く、症状の性質のみでは診断が難しい場合があります。ですので、症状だけではなく、「どのくらい狭心症が起こりやすい人なのか」をとても重視します。

 今回の相談者の方についてはもう少し症状を詳しく伺いたいところですが、上記のチェックリストで少なくとも「50歳以上」「男性」に当てはまるので、病院で精密検査を受けることをおすすめします。心臓担当の循環器内科か、よくわからなければ、内科で相談して、どの科に行くといいのか相談しましょう。

 逆に、どれにも当てはまらない方であれば、年1回の健康診断でチェックを受けること、生活習慣病の予防に努めることで十分でしょう。

狭心症の中でも
「不安定狭心症」がいちばん危ない!

 最後に、ご相談者の方が今後、どのような検査や治療を受けるべきか、その流れを「私であればこうする」という内容に沿ってご説明します。限られた情報からの判断ですので、実際に受診された場合は、担当医とよく相談して決めて下さい。

 現状、大きな論点になるのは、その胸の痛みが「不安定狭心症」という心筋梗塞の1歩手前のものであるかどうかです。狭心症の種類にはいくつかありますが、この「不安定狭心症」以外はゆっくり対処してもそれほど大きな問題がないからです。

 症状を繰り返していたり、徐々に悪化したりする場合には「不安定狭心症の疑い」として即座の入院をおすすめします。逆に痛みを感じたのが1回きりで、症状が安定している場合にはCTなどの外来検査で診断を受ければよいでしょう。

 もし不安定狭心症の疑いがあって入院した場合や、その後のCT検査などで狭心症の診断がついた場合には「心臓カテーテル検査」が必要です(細長い管のことを「カテーテル」と呼ぶ)。正式には「冠動脈造影(かんどうみゃくぞうえい)」といいます。