冷蔵庫にある食品を見ると「賞味期限」が過ぎている――。そんな場合、どうするか。その認識は夫婦や家族でも「夫が絶対に食べない」「妻が捨ててしまう」など、さまざまであるようだ。しかし、そもそも「賞味期限」をめぐる解釈には多くの誤解もある。改めて夫婦や家族でよく話し合ってみよう。(食品ロス問題専門家、消費生活アドバイザー 井出留美)
夫婦で異なる「賞味期限」への感受性
「賞味期限」と「消費期限」の違い
夫婦で「意見の相違」があるのは当たり前のことだ。「食の好み」にも、そして「賞味期限」をどう理解しているかも違うことがある。
「わたしはいいんですけどね。夫がうるさくて、切れたものは使えないんです」という妻の話を聞いた。
「わたしはこだわりませんが、妻が知らないうちに捨てちゃうんですよ」という夫の嘆きも聞いた。
賞味期限とは何だろうか。簡単に言えば、「おいしさの目安」である。これを衛生面で安全に食べられる「品質が切れる期限」だと誤解している人がとても多い。
前述の夫婦間の相違は、夫婦のどちらかが「賞味期限=品質が切れる期限」だと誤解しているために起こるものである。
品質がすぐに劣化しやすい食品には「消費期限」という表示が使われる。主に、日持ちが5日以内のものに使われる。例えば弁当、おにぎり、サンドイッチなどの調理パン、総菜、生クリームのケーキなどだ。
賞味期限は、ただの目安にすぎない。そう理解すれば、これに関する夫婦げんかも減るかもしれない。