アルコールは少量でも毒
百薬の長ではない

 ではアルコールはどうか。

 飲み過ぎが身体、特に肝臓に悪いことは常識。しかしアルコールの種類に関係なく、男性で1日40g(日本酒で換算すると約2合)、女性の場合は1日20g(日本酒で換算すると約1合)までなら、まあ、健康に影響はないといわれており、週1日「休肝日」を設ける、身体に優しい飲み方も推奨されている。

 さらに、1日にグラス1杯の赤ワインは、「コレステロール値を下げる」「ダイエットに効く」「心臓病予防効果がある」等のメリットがあり、飲み過ぎはいけないが、少量なら薬になるというのが定説だ。

 日本酒だって、昔から「百薬の長」といわれている。飲み過ぎがいけないのは分かるが、少量なら身体に良いと信じられている。

 ところが、こうした「飲酒は少量なら体に良い」説を否定する論文が2018年8月、医学雑誌「ランセット」に発表された。ランセットは、世界で最も有名で、最も評価の高い世界五大医学雑誌の一つであり、掲載される論文の信頼度も高い。

 これまでの「少量飲酒健康増進説」の根拠は、「アルコールには動脈硬化の進行を防ぎ、脳梗塞や心筋梗塞などの循環器疾患の発症リスクを下げる効果がある」とする研究結果が多数存在したことだった。

 しかし、世界195ヵ国で実施された研究を解析したところ、全体的には、飲酒のメリットは限定的な上に、「ときどき」摂取するだけでも有害だということが判明し、論文の著者らは、各政府に対し、国民に完全な断酒を勧めるべきだと訴えている。

 飲酒は、たとえ少量であっても乳がんや口腔がんなどにかかりやすくなるリスクが増大するため、「アルコールによる特定の病気の予防効果は、飲酒がもたらすリスク全体を相殺するほどのものではない」と結論づけられた。