子どもたちイメージ
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 退屈だと駄々をこねる子どもたちにうんざりするのは、昔から変わらない夏休みの光景だ。ところが最近は進んで子どもたちを家の外に追い出し、「夕飯には戻ってくるのよ!」と叫ぶ親が減っている。親への最新の助言はこうだ。自由すぎる子どもの時間にルールを設けよ。

 これは10年前に沸き起こった「何の決まりもない休息時間を子どもに与えよ」というアドバイスへの反動だ。

 当時、退屈はよいことであり、それによって子どもたちは想像力を働かせ、時間をつぶす方法を自ら考え出すと考えられていた。だがそれは携帯電話や人気ビデオゲーム「フォートナイト」があらゆる場所で使えるようになる以前の話だ。今では誰もが分かっている。自分の端末を与えられた子どもは、その端末に依存することを。

「休息時間はテクノロジーと同義語になってしまった。もちろん子どもたちが過密スケジュールになるのはよくないと思う。私が提唱するのは違った意味でのスケジュール管理だ」。ニューヨークで医療ソーシャルワーカーを務めるエリッサ・アッカーマン氏はこう話す。「退屈さをスケジュールに組み込みつつ、その退屈さで何ができるかを子どもに提案するのだ」

 メラニー・ヘンプさんには、長男(現在27歳)が10代だった頃の苦い経験がある。休息時間をテクノロジーで埋めるとどうなるかを思い知らされたのだ。

「当時、『子どもを過密スケジュールにすべきでない』が世の常識だった。だから枠組みのない時間を子どもたちに有り余るほど与えた。『野球やピアノを辞めたいなら辞めればいい』といわんばかりの態度だった。結局、息子はひたすらビデオゲームにのめり込むことになった」。ヘンプさんはこう振り返る。

 長男をゲーム漬けの生活から脱却させるのに苦労したヘンプさんは、同じような悩みを抱える家族を支援する団体を立ち上げた。