拡散とは何か
拡散されて、多くの人にコンテンツのことを知られ、またその人たちがコンテンツを広げていく。
つまり、拡散によってはじめて、コンテンツは人々に知られるようになります。
インターネット上で多くの人に情報が伝わっていくこと。
本連載ではこれを「拡散」と呼びます。
ご存じのとおり、コンテンツはつくっただけでは届きません。
つくって、届けて、広げていく。
人々に情報が確実に届くためには、この一連の「流れ」が必要なのです。
1本の動画をつくって公開しただけでは、「流れ」まではつくれません。
では、拡散される動画やライブ配信のコンテンツを、どうやって生み出すことができるのか。
拡散は、有名でない人でも起こせます。
広告予算の少ない中小企業や個人事業主でも起こせます。
そして、極論すれば、そのコンテンツがユニークでなくても「拡散」は起こせます。
それも偶然にではなく意図的に、です。
広告ではなく「告広」という考え方
そもそも拡散とはどのように起こるのでしょうか。
それを知る手がかりとなる「告広」という言葉を紹介します。
この言葉を私に教えてくれたのは、バラエティー番組のプロデューサーであり、弊社の社外取締役の角田陽一郎です。
角田は、「告広」という言葉を、クリエイティブディレクターでコピーライターの小西利行さんから教わったといいます。
というわけで、私のオリジナルの言葉ではないのですが、企業の方からご質問をいただいた際に、このお話をさせていただくと、「なるほど、そういうことなのですね!」と言われることが多いので、ここでも取り上げたいと思います。
告広とは、「広告」の2文字を逆さにした造語ですが、順番を入れ替えただけでその意味合いは大きく変わります。
広告:広く告げる
告広:告げた結果、広がる
広く告げる「広告」は、いわゆるマス(大衆)に向けて情報を発信します。ここで重視されるのは、ターゲットに届いているかどうかよりも、「どれだけ多くの人に届いたか」ということです。
例えば化粧品のテレビCMは、化粧品の購入層だけでなく、男性や子どもなど、化粧品を買わない層にまで情報を届けています。スポンサーが支払う広告料も、どれだけ買われたか、化粧品を使う人にどれだけ届いたかではなく、番組の視聴率、つまりターゲットに関係なく、どれだけ多くの人に見られたかで決まります。
一方の「告広」は、テレビCMなどとは違い、個人の口コミにより情報が広がっていきます。人から人への情報伝達が至るところで発生し、アメーバ状に情報が広がっていくようなイメージです。