香港で続いている大規模デモを鎮めるために中国政府が人民解放軍を出動させる可能性は低いとの見方が依然多い。だが解放軍のデモ鎮圧演習の様子が入った動画を中国が先ごろ公開したことで、軍事介入への警戒感が出ている。アナリストや外交筋の推計によれば、香港駐留の人民解放軍は6000〜1万人規模。まれにイベントを開く以外はあまり目立たない存在だが、昨年は台風被害を受けた地域の復旧活動に参加したように、すぐに動員できる態勢にある。香港では、中国への容疑者の引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案を契機に始まった大規模デモがほぼ2カ月にわたり続いている。これに対し、中国国務院(内閣)香港マカオ事務弁公室の楊光報道官は6日、人民解放軍の力強さをたたえた上で、香港警察当局が秩序を回復できるとの見方を強調した。解放軍について「理性的な部隊でもある。中国共産党の指揮下にあり、法に基づいて行動する」と語った。