一郎さんの自己負担額8万3430円に、手順2で払い戻されずに残った(ヘ)の5万7600円を足した14万1030円が現状で支払っている医療費になる。だが、山田家の世帯の限度額は、【8万100円+(医療費-26万7000円)×1%】だ。

 山田家の医療費の総額391万円から、愛子さんのケガの医療費(5万円)を除いた386万円が世帯合算の対象になる医療費なので、上の式に沿って計算すると限度額は11万6030円なので、申請すると差額の2万5000円が戻る。

・一郎さんの入院8万3430円+(ヘ)5万7600円=14万1030円(ト)
・(ト)14万1030円-山田家の世帯の限度額11万6030円=還付金2万5000円(チ)

 山田家では、1ヵ月間で4人合計18万2030円の医療費を自己負担していたが、手順1~3で還付金の請求をしたところ、合計5万1000円を取り戻すことができた。

⇒(ロ)8000円+(ホ)1万8000円+(チ)2万5000円=還付金合計5万1000円

申請すれば取り戻せるお金は
きっちり手続きして家計防衛

 限度額適用認定証を提示すると、病院や診療所で支払う自己負担分は、最初から高額療養費の限度額までとなっているため、これ以上、お金が戻ると思わないかもしれない。

 だが、医療機関では、患者がその他の病院や診療所に支払った医療費のことまでは分からない。そのため、同じ月に家族も医療費が高額になったり、1人で複数の医療機関を受診したりしているような場合は、自分で世帯合算の申請をしないと、既定以上に医療費を払い過ぎることになってしまうのだ。

 70歳以上で、所得が一般や低所得の人は、限度額も低いので、高額療養費の対象になりやすい。子どもの会社の健康保険に親も加入していて、世帯合算できれば、家族みんなの医療費も抑えられる。

 70歳未満の人と70歳以上の人が混在している場合、世帯合算の計算方法はややこしいのは事実だが、手順通りに手続きしていけばお金を取り戻すことはできる。

 今年10月から消費税が引き上げられ、家計の負担がこれまでより増えるのは確実だ。家計防衛のためにも、申請すればもらえるお金は、きちんと手続きして取り戻すようにしよう。

(フリーライター 早川幸子)