カリスマ経営者、稲盛和夫氏から経営のバトンを受け継いだ京セラの経営者はどのように大企業病を克服し、勝てる組織へ改革しようとしているのか。谷本秀夫社長に聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部 千本木啓文)
――京セラは組織が大きくなり、弊害も出ていると思います。新時代に勝つために、変えなければいけないことは何ですか。
京セラはものづくりでスタートした会社です。セラミックがベースになって成長してきましたが、やっぱり組織は、大量生産・大量消費の時代の形態なんですね。ですからどうしてもピラミッド型の組織になっています。
これからの時代は少量多品種です。他の人と同じものは要らないという時代なので、少量のものを、あまりコストをかけず、いかに上手に作るかが重要になります。当然、チームも小さくならざるを得ない。ピラミッド型の組織を壊して、たくさんの小さいチームが同列にあるフラットな組織にしないといけません。
ただ急に全部そうするわけではありません。従来の部品を作るところはピラミッド型の組織を残しつつ、研究とか新事業をやるところはフラットにしていきます。
――小さいチームが並列に存在する組織形態は「アメーバ経営」(京セラ創業者の稲盛和夫氏が創り出した独自の経営管理手法。組織をアメーバと呼ぶ小集団に分け、それぞれのメンバー全員が知恵を出し、アメーバの目標達成を目指す)と相性がいいのでしょうか。
相性は非常にいいと思います。私が入社したときがそんな感じでした。ですから、京セラの原点に戻るみたいな感じですね。