その意味では、組織全体のスキルとして、面白さと真面目さを意識的に共存させていく技術を持たねばならないだろう。真面目派とクリエイティブ派は、本来、最も優れたパートナーとして尊重し合わなければならない者同士である。両者が互いに非難し合っているような組織は残念ながら、お互いの大切さが理解できていない未熟な組織ともいえよう。

 まずは少人数でできる、小さいけれど意欲的なプロジェクトを通じて、最初から最後までしっかりやり遂げるという成功体験を持つことが必要である。それが成し遂げられれば、「真剣、一途、専門特化、単純化、秩序、継続、完全、ミスをしない」と「(精神的)余裕、多様性、複雑性、越境、連結、破壊と創造」という価値観、いずれもがイノベーションには必要で、それらは決して対立するものではないことを組織と人が学ぶことができるだろう。

*“Writing a book is an adventure. To begin with it is a toy and an amusement. Then it becomes a mistress, then it becomes a master, then it becomes a tyrant. The last phase is that just as you are about to be reconciled to your servitude, you kill the monster and fling him to the public.”

(プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役 秋山進、構成/ライター 奥田由意)