日本で2017年に発生した約900万トンのプラごみは次のように処理された――。(1)国内でのリサイクル13%、(2)輸出先でのリサイクル14%、(3)サーマルリサイクル(熱回収)58%、(4)単純焼却8%、(5)埋め立て6%(小数点以下四捨五入の関係で合計は100%になっていない)だ。

 政府はこのうち、(1)と(2)と(3)の合計である86%を「有効利用率」だとし、世界の平均が15%程度であるのに比べ、はるかに進んでいると自賛している。しかし、こうした認識は世界では通用しない。

「サーマルリサイクル」は、プラごみを焼却し、その際に出る熱の一部を発電や給湯に利用する処理方法だ。だが石油が原料のプラごみを焼却すれば、地球温暖化(気候変動)の要因である二酸化炭素(CO2)を排出するため、国際的にはリサイクルとは認められていない。

 日本では(3)のサーマルリサイクルに加え、(4)の熱利用のない単純焼却でもプラごみを燃やしており、合わせて66%、全体の3分の2を焼却している。こんな「焼却大国」は他に例がない。

 地球環境保全のために世界は、「持続可能な開発目標(SDGs)」(2015年の国連総会で採択)と、気候変動抑制のための「パリ協定」(16年締結)という大きな目標を掲げている。

 プラごみの焼却は、「できるだけ早く世界の温室効果ガスの排出量をピークアウトさせ、21世紀後半には排出量と(森林などによる)吸収量のバランスをとる」というパリ協定の長期目標の趣旨に反する。

 またSDGsが掲げる17のグローバル目標(行動指針)の1つ、「気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る」(第13目標)にも反している。

 にもかかわらず、日本は焼却を長期的に続けていく方針なのだ。

 さらに日本の対策は、リサイクル中心で、使い捨てプラ製品の使用そのものをやめる取り組みが少ないことも批判されている(注)。

 汚れたプラごみをリサイクルするには、回収に出す前に家庭などで洗浄する必要があるが、それが環境汚染の一因になる。

 日本はプラごみの14%を海外でのリサイクルのために輸出しているが、これもやがて不可能になるだろう。これまで先進国からプラごみを輸入してきた途上国が、中国を先頭に輸入の禁止や制限に動き始めたことは、前回の記事(2019年7月27日の「『プラごみ後進国』日本に近づく、レジ袋やペットボトルがなくなる日」)で説明した。

注:日本が「リサイクル先進国」というのも誤りだ。経済協力開発機構(OECD)が公表した、プラごみを含む「一般ごみ」に占めるリサイクル・コンポスト化の割合(2013年)によれば、日本は19%で、34ヵ国中29位だ。1位はドイツの65%で、以下、韓国、スロベニア、オーストリアと続く。