標識しかない踏切も
現存する

 踏切における事故を数値で追ってみたいと思う。国土交通省の資料(2014年)によると、日本には3万3528箇所の踏切道があった。

 内訳は、踏切警報器と踏切遮断機などが設置されている第一種踏切が2万9836箇所(89%)、踏切遮断機がなく踏切警報機だけの第三種踏切が775箇所(2%)、踏切の標識があるだけで列車の所在が分からない第四種踏切が2917箇所(9%)である(ちなみに第二種踏切とは、一定時間に限り踏切保安係が遮断機を操作するもので、現在の日本にはない)。

 同年の踏切事故件数は248件。内訳は第一種踏切が212件(85%)、第三種踏切が9件(4%)、第四種踏切が27件(11%)である。

 数字だけを見れば第一種踏切の事故が多いように思えるが、これは単に第一種踏切の設置件数が多いためめである。単純計算で踏切1箇所ごとの事故率を見ると、第一種踏切が0.7%、第三種踏切が1%、第四種踏切が8.5%となり、いかに標識しか立っていない第四種踏切のリスクが高いかが理解できるであろう。

事故原因のトップは
列車の直前横断

 事故原因を見ていくと、2014年の第1位は通過する列車の直前横断で117件(47%)、第2位は踏切内停滞、落輪・エンスト、いわゆるトリコ(踏切内に車が取り残されること)で71件(29%)、第3位は自動車が限界線を超えて停止したため、列車や車両が接触したもの、あるいは通過中の列車の側面に衝突したものが29件(12%)、その他の事故が31件(12%)となっている。

 年齢別では、第1位が60代(20.6%)、第2位が70代(16.1%)、第3位が80歳以上(13.3%)、第4位が50代(10.1%)となっており、50代以上で全体の6割を占めている。