「もし今日が人生最後の日だとしたら、今やろうとしていることは本当に自分のやりたいことだろうか?」。これは、スティーヴ・ジョブズが残したとても有名な言葉です。このジョブズの「質問」は、人生の核心を突いたものであり、世界中の多くの人々に感銘を与えました。このような自分に対する問いかけは、自身の内なる声に気づくことができ、行動を起こす一番の力となります。そこで今回は、藤由達藏氏の『たった1つの質問がなぜ、人生を劇的に変えるのか』(青春出版社)から、「自分を変えるための質問」について具体的なやり方を紹介します。
自分を変えるいい質問(1)「前向き」であること
冒頭のジョブスの話をはじめ、世の中で大きな仕事を成しとげた人は、必ずといっていいほど「いい質問」を自分に投げかけています。たとえば、チキンラーメンやカップヌードルの発明者であり日清食品の創業者である安藤百福は、常に「何か人の役に立つことはないか?」と自問自答していたといいます。この問いのお陰で、あらゆるものから次から次へと事業のヒントを見つけ出していけたのだそうです。(出典:『転んでもただでは起きるな! 定本・安藤百福』安藤百福発明記念館編 中公文庫)
では、「いい質問」とはどのようなものでしょうか。まず、いい質問の特徴の1つ目は「前向き」であること。物事に対して自ら進んで取り組もうとする態度で質問をするのです。前向きな質問を理解するには、その反対の後ろ向きな質問と比較すればわかります。ネガティブなことに意識が向くと、気分もネガティブで、後ろ向きになります。そのまま質問を考え始めると、次のような質問になってしまうでしょう。