小泉進次郎氏と滝川クリステルさんフリーアナウンサーの滝川クリステルと首相官邸を訪れ、首相の安倍晋三に結婚の報告をした自民党の小泉進次郎。この訪問で、安倍の小泉に対する見方が変わり、環境相就任につながっていく Photo:JIJI

「結果としてこれが最後の内閣改造・自民党役員人事になるのではないか」

 首相、安倍晋三の頭の片隅にはこんな思いがよぎっていたかもしれない。11日に発足した新内閣の顔触れを見ると、そうとしか考えられないからだ。19人の閣僚の内訳は初入閣が13人に及んだ。さらに新閣僚は三つのカテゴリーに分類できる。「安倍のお友達」「各派閥のベテラン」、そして官房長官の菅義偉(70)の意向が反映された「菅銘柄」だ。

 “お友達”はいずれも安倍側近として長く忠勤を励んだ面々。官房副長官を務めた文部科学相の萩生田光一(56)、経済再生担当相の西村康稔(56)。首相補佐官からはベテランの衛藤晟一(71)と江藤拓(59)。河井克行(56)は自民党の総裁外交特別補佐から法務相への抜てきだった。

 自民党幹部は「政界は何が起こるか分からず一寸先は闇。この際、処遇しておかなければ悔いが残ると考えたに違いない」と語る。その側近重用の反動による自民党内の反発を抑えるためだろう。派閥が強く推したベテラン議員を次々と入閣させた。失礼ながら復興担当相の田中和徳(70)、地方創生担当相の北村誠吾(72)らについて選挙区以外の国民で顔と名前が一致する人は何人いるだろうか。