社会人になって年数がたつほど「考えなくなる人」は増える傾向にある社会人になって年数がたつほど「考えなくなる人」は増える傾向にある(写真はイメージです) Photo:PIXTA

ビジネスや営業では、考えることが重要だ。しかし、実際の職場では「考えない人」の方が周囲から「仕事ができる人」という誤解を生みやすい。このため、最近は「考えない人」の方が昇格しやすい傾向にあり、会社や組織に悪影響を与えている。(AKTANA International LLC プリンシパルコンサルタント 高橋洋明)

社会人になって
年数がたつほど考えなくなる

 前回、ビジネスにおいて「考えない人」が企業内・組織内に増えていることと、「考えない人」が企業や組織を衰退させていくことを見てきた(参考記事:『自分で考えない人ほど「仕事ができる人」と勘違いされ、昇進する理由』)。

「考えない人」は、危機回避の意識が強く、失敗を恐れるために自分ができることしかやらない。しかし、自分ができることはたくさんの数をこなすために、自身も周囲も「考えない人」のことを仕事ができる人と勘違いしやすい。

 そして「考えない人」が企業や組織の中で昇進すると、その企業や組織がチャレンジしなくなり、競合他社との競争力を徐々に失い衰退していくことをお伝えした。

 もっと身近な例では、

 ・最先端の知識・情報・考え方・スキルなどを理解できず、議論についていけないベテラン
 ・指示を出すときに、過去の自分の成功経験に基づいて部下に指示するが、指示が具体的ではないため(例:今月あと○○円売ってこい! とにかく顧客に会ってこい!など)部下が適切に行動できなくする上司

 などはどこの企業や組織にもいるし、後を絶たない。

 皆様の中にも、このような上司への対応に苦慮している方がいるかもしれない。