「なぜ、それが無罪なのか!? 性被害を軽視する日本の司法」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、伊藤和子・著、新書:285ページ
「なぜ、それが無罪なのか!? 性被害を軽視する日本の司法」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、伊藤和子・著、新書:285ページ

 性被害者が加害者を訴える場合はその証拠が必要になるため、女性の場合はすぐ産婦人科へ行って緊急避妊ピルの処方を受けるとともに、膣からDNAを採取してもらってください。男性の場合も性感染症を確認するため泌尿器科や肛門科へ行くとよいでしょう。

 ワンストップ支援センターから、信頼できる医療機関につないでもらうことができます。また、相手の体液・精液が付着した下着や服は、警察や検察の捜査で有力な証拠になります。

 メールなどのやりとりや、犯行現場の防犯カメラの映像からも犯罪を証明できる可能性があります。

 被害に遭ったことを周囲に相談できない、周囲から責められることを恐れて声をあげられないのは、社会として深刻な状況です。特に、日本は被害を訴えた人に対するバッシングがひどく、声をあげた人が生きづらいという側面があります。性被害者へ連帯の意思を示して花を持って集まりましょうという「フラワーデモ」のように、自分の経験や気持ちを語れる安全な社会の形成が必要です。

◎伊藤和子(いとう・かずこ)
弁護士、国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ理事・事務局長で、同団体の設立にも関わる。弁護士として、女性・子どもの権利、冤罪事件、環境訴訟など国内外の人権問題に関わって活動する。ヒューマンライツ・ナウでは主に女性や子どもの権利擁護、ビジネスと人権に関する問題、アジア地域の人々の自由と尊厳の擁護、紛争下の人権問題に関わる。